屈筋腱損傷・伸筋腱損傷

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屈筋腱損傷とは

指を曲げる腱を屈筋腱と言います。これが切れることにより、指が曲がらなくなってしまうのが屈筋腱損傷です。また、屈筋腱が切れる際に指の血管や神経が同時に切れてしまうこともあります。ケガをして、指が曲がらなくなってしまった場合は、お早めにご相談ください。

病態と診断

屈筋腱は前腕にある屈筋と手指とをつなぐ腱で、親指には1本、人差し指から小指まではそれぞれ2本ずつ通っており、各指を曲げる働きをしています。切り傷や刺し傷、骨折、炎症、変形性関節症などにより屈筋腱が断裂してしまうことで発症します。ケガをした際に、指が曲がらない場合は屈筋腱損傷が疑われます。屈筋腱は、深指屈筋腱と浅指屈筋腱があり、切れた腱によって指の曲がり方が異なります。

治療

断裂してしまった腱は自然に繋がることはないため、手術が必要になります。腱が切れて日が浅い場合には、腱をつなぐ手術を行います。しかし、日が経ってしまい、腱をつなぐことができない場合は、近接の他の腱につないだり、他の部位から持ってきた腱を移植したりします。手術後にリハビリテーションを行うことが重要で、装具などで固定しながら徐々に指を動かしていきます。

伸筋腱損傷とは

手指伸筋腱損傷の症状指を伸ばす伸筋腱が外傷や関節リウマチなどにより損傷し、指が伸ばしにくくなってしまった状態を指の伸筋腱損傷といいます。指先がしびれたり冷えているような感覚があったりする場合は神経にも損傷が生じている可能性があります。

病態と診断

刃物などで切ってしまうことももちろんありますが、突き指などで伸筋腱が切れてしまうこともあります。高齢者の場合は、手の関節の変形や橈骨遠位端骨折に伴い伸筋腱断裂が起こります。
また、関節リウマチの場合は手首の滑膜炎が原因で伸筋腱がすり切れてしまうことがあり、手を使っているうちに、ある日突然小指や薬指が伸ばせなくなるという症状が起こります。
原因となるケガの有無や指の障害を問診し、身体所見を伺うとともに、X線検査や超音波検査などを行います。

治療

切れた腱を縫合する手術を行います。しかし、腱を縫合できない場合は他の腱につなぎ直す手術などが行われます。また、関節リウマチによる断裂の場合は、必要に応じて関節の形成術や滑膜の切除を行うこともあります。手術後はリハビリテーションを行います。

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